ザ・コンサルタント

ザ・コンサルタント アクション

ザ・コンサルタント(原題:The Accountant)
監督:ギャヴィン・オコナー
主演:ベン・アフレック
公開:2016年10月4日
製作国:アメリカ

【ざっくり概要】
裏社会に存在する謎の“会計士”を追え!

【感想】
先にひとつ言っておかなければならないことがあります。
まず今作を観ることになったキッカケは何か良いアクション映画ないかな?と思い色んな映画の予告動画を流していて、「あ!自分の好きそうな一見平凡そうな主人公が悪党をとっちめる系アクション映画だ!観よ!」とわくわくして借りてきました。
そうなんです。予告と全然違うよ~~~~~~!!
なんだったらポスターに書いてあるキャッチコピーも全然違う気がします。
『職業、会計コンサルタント。本業、腕利きの殺し屋』だけ見ると凄く楽しそうな映画ですよね。
確かに悪党はそこそこ倒しますが一般的に思い描く殺し屋ではないような…?
ジャンルとしてはちょっとガンアクションする重めヒューマンドラマだと思います。
なので期待していた映画とかなり違ったため評価が辛めです。ごめんね。



※以下ネタバレ注意※



【本編の話】
今作は“会計士”として生きる主人公クリスチャン・ウルフとはいったいどんな人物なのか?という謎を追っていくストーリーです。
まずひとつめの素顔はウルフは高機能自閉症であるということ。
医師に相談していた彼の母親は大きな音や明るい光が苦手で同じことを何度も繰り返すことが多く友人が弟以外にいないと嘆いていました。やはり自閉症の症状にある通り『感覚の過敏性がある』『こだわりが強い』『対人関係が苦手』『思い通りにいかないとパニックになってしまう』などなどウルフにもたくさん当てはまっています。
でもそんな彼にしか出来ない特別な才能もあるんですよね。
ジグソーパズルをしていたところ最後のピースが見つからず「終わらせなくちゃ」と酷く動揺しパニックを起こし、そんな中同じ部屋にいた女の子が落ちていたピースを拾ってくれ無事にパズルは完成しますがウルフはパズルを裏向きで完成させていた…というシーンがあるようにウルフには常人では真似出来ない才能があったわけです。
少年時代の回想は自閉症であるウルフの様子が描かれていますがそれともうひとつ特徴的なのが“ソロモン・グランディ”という歌を唱えるというのがあります。

ソロモン・グランディ
月曜日に生まれた
火曜日に洗礼を受け
水曜日に嫁をもらい
木曜日に病気になった
金曜日に病気が悪くなり
土曜日に死んだ
日曜日には埋められて
ソロモン・グランディは
一巻の終わり

ソロモン・グランディ Solomon Grundy :マザーグース

ソロモン・グランディはマザーグースと呼ばれるイギリス童謡の歌のひとつみたいですね。人の一生を曜日に当てはめて歌ったものだそうです。
この歌をウルフは少年から大人になった現在でも唱えています。少年時代ではパニックを起こした際に繰り返し唱えていたので気分を落ち着かせるために父親が教えたのかな?
ある日母親が家を出て行ってしまい、ウルフと弟は軍人だった父親から「苦手なことから逃げずに立ち向かえるように」と体術を教え込まれたりいじめっ子達にやり返したり強く厳しく育てられた。
そしてふたつめの素顔はただの会計士ではなく裏社会で危険な顧客からも経理を請け負っていて自分を狙う人間は容赦なく眉間に弾丸を撃ち込むヤバい会計士です。強く育ちすぎじゃない?
だからといって悪党全員慈悲はないみたいな感じではなく、刑務所時代に世話になったおじさんが殺されて復讐に行ったり表の会計士の仕事で関わることになった女性を助けるために悪党をとっちめたりなので厳密には殺し屋じゃないんですよね。

と、まあこのクリスチャン・ウルフというキャラクターの設定だけ見てもめっちゃくちゃ話が重いんですよね…。気軽に観れるアクション映画じゃなかった。

さて、あれだけ大々的に予告でアクションシーンを映しておいてアクションシーンが2割しかなかったことはさておき。個人的に一番問題だと思ったのはいまいち分かりづらい部分が多すぎたかなあ。
まずウルフが夜な夜な爆音でメタルを流してライトを点滅させる行為は自閉症の症状である『感覚の過敏性』を克服するためなんでしょうが脚を棒でゴリゴリしてたのは何…?
強く育ったとはいえウルフが従軍してたとは劇中で一言も言ってないし(お葬式に父親と一緒に軍服を着てたことで察したけど)軍人だったとしても何で裏稼業をやるようになったのかも不明だし。他の過去はもりもり情報を出していたのになぜそこだけぼかすのか。
あと“会計士”を追う側の視点にも少し不満があったかな。
金融犯罪捜査網の長官と分析官が会計士を追うことになったわけですが、まず分析官が事情があったとはいえ過去に暴行罪や殺人未遂で逮捕歴があるにも関わらずそれを隠していて長官にバレた時に泣いたのは意味が分からない。なんで?
その分析官が会計士のことを「人殺しの犯罪者」と言っていたんですよね。いや特大ブーメランすぎない?

自閉症でありながら凄腕の会計士として裏社会でも暗躍するクリスチャン・ウルフの凄さを描きたかったんだろうなとは感じましたがいまいち「むむむ…」と言いたくなりました。
私には合わなかったかな…。残念。





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